よかったなあ【まど・みちお】

よかったなあ 草や木が

ぼくらの まわりに いてくれて

目のさめる みどりの葉っぱ

美しいものの代表 花

かぐわしい実

よかったなあ 草や木が

何おく 何ちょう

もっと数かぎりなく いてくれて

どの ひとつひとつも

みんな めいめいに違っていてくれて

よかったなあ 草や木が

どんなところにも いてくれて

鳥や けものや 虫や 人

何が訪ねるのをでも

そこに動かないで 待っていてくれて

ああ よかったなあ 草や木がいつも

雨にあらわれ

風にみがかれ

太陽にかがやいて きらきらと

子どもたちに、何度も読んだ、まど・みちおさんの詩の絵本です。

「また、よかったなあ」だと子どもたちは、うれしそうに笑います。

読むたびに、深く深く「よかったなあ。」と感じます。

そして、子どもたちも「よかったなあ。」と笑顔でこたえてくれます。

草や木がいてくれて、そこには、動物たちも鳥も虫も人もやってくる。

自然はうごかずにじっと、私たちを待っていてくれる。

「よかったなあ。」