2024.9.11
かもしか組(4歳児)の子どもたちは初秋の海に出かけました。
海は子どもたちの心と身体が解放されます。
強く打ち寄せる波にまっすぐ向かって膝を曲げ、波がザブーンと打ち寄せると思い切りジャンプです。
何度も何度も繰り返します。
足の裏を波と一緒に流れる砂の感覚は心地よく
くすぐったい。
海は、私たちの生きるこの地球上に初めて生命をもたらした母なるものです。
大きな海は、子どもたちを優しく包み込みます。
幼いときに、十分に水刺激を与えられた子どもは、自律神経を整えたくましく育ててくれると言われています。
喘息やアレルギーを持つ子が増える現代では、身体に水刺激を与えることが、子どもが健康に、たくましく生きるために有効であることが医学的にも証明されています。
とくに、足の裏からの水刺激は脳に直結しています。ですので、幼いころ、水たまりに足を入れたり、裸足で過ごし、足を塗れた足ふきマットでふくこと。
大きい子はめんどうでも、外から帰ってくるたびに足を洗うことを保障する。それだけで素晴らしい保育です。
はだしで過ごすということには、そういう意味もあるのです。
しかし、それだけではありません。
肌には五感の受容体があり、肌は、水を五感で感じるのだそうです。
あたり前と思うかもしれませんが、それは感性を育てることにもつながっているのです。
海の波、川の流れ、それらをすべて肌の受容体は感じています。
その水のにおいや色まで肌が感じているというのだから、すごいです。
また、なぜ健康な赤ちゃんが水にむかって行くのか。
保育者であれば、水砂土の順番で子どもたちが発達していくことが自然な姿だということを実践として知っているのですが、
なぜなのか。
海から誕生した生命が岩ばかりだった地上で、地衣類の力によって砕けた砂から土を創り出す。
水砂土、それは人間の誕生までの進化の過程で地球を構成する素材です。
そう思うと、人としての土台をつくる乳幼児期に水砂土に子どもたちがむかって行くというのは、とても自然なことだと思います。
そして、その時期にそのような環境を与えることは大切です。ヘッケルは「系統発生は個体発生をくりかえす」と唱えています。(もちろん諸説ありますが。)
子どもたちの様子をみると、その言葉にも納得できます。
さらに、少し大きな子たちには、海や川に出かけて行って、大きな自然に抱かれて自分が今存在している世界との一体感、つながりを感じられるような体験はとても大切なのです。
そこに、仲間がいる。この年齢の子たちには仲間と共につながる。そんな経験をたくさん与えていきます。
もう一つ子どもに与えたいのは生きている水です。煮沸した水ではなく。どんなに良いお茶も嗜好品程度に。基本は水というのが今の私の考えです。
そして、遠い国からのお水でなく、その子が育った土地のお水が良いのではないかと思います。なぜなら、その水には、その土地の風土と歴史が溶け込んでいるからです。
この日の大人気は氷。氷も子どもたちの大好きな食べ物?です。