コロナ禍におけるマスク着用と子どもの育ち

脳の発達には「感受性期」と呼ばれる環境の影響をとくに大きく受ける特別な時期があります。

例えば、視覚情報をつかさどる視覚野は、生後8カ月ころから就学前くらいまで環境の影響を受けて変化します。

他者の動く表情を目にする日常経験は、乳児の脳と心の発達にとても大切です。

乳児は、目や口がダイナミックに動く表情を目にしながら、喜びや怒りなど

相手の感情を理解する能力を発達させています。

また、「いい子だね」などと、相手が口から発する音声とそれに伴う口の動きの

視覚情報を統合しながら、言語を獲得していきます。

相手の表情を理解し、その表情や音声をまねすることで、相手の心を想像する心

共感する心などを発達していく時期です。(明和政子先生)

園でも職員のマスク着用が乳幼児の言葉の遅れにつながらないように

子どもたちのコミュニケーションの育ちを阻害することのないように

感染防止を意識しながらも、時にはマスクを外したコミュニケーションの機会を得られる時空間を

保障していきたいです。

とくに、家庭で過ごす時間というのは、マスクを外し、相手の表情を見ながら

コミュニケーションをとることの出来る大切な時間です。

コロナ禍以前以上に、表情豊かに笑顔で話しかけ、機械の音にたよらず

お父さん、お母さんの歌声をきかせることが大切になります。

テレビではなく、YouTubeではなく、毎日の絵本の読み聞かせを。

今、ヒトがヒトを育てるという事の重要性を改めて実感します。