「ヒトの子育ての科学的理論」
明和政子(京都大学院教授)参照
ヒトは本来母親だけでなく、他者とともに「共同養育」を行って進化してきた動物です。
ヒトには「共同養育」を可能にする脳と心のはたらきが独自に備わっているのです。
さらに最近の研究では子育て経験の蓄積が子育てをするうえで適応的な心と行動を促進すること、
そうした変化は母親だけでなく父親にもみられることがわかってきました。(明和政子先生)
子育てに必要な知識を獲得し、子育てへの動機を高める心のはたらきは幼少の頃より育まれていくようです。
幼少期~学童期において、赤ちゃんのいる環境があたり前のようにあり、
赤ちゃんのお世話をしたり、表情をよみとりながら優しく接する経験の積み重ねは
その後、その子自身が親になった時に、必ずいかされます。
子育ての知識や気持ちの蓄積は子どものヒトとしての脳の成長に大切なのです。
毎朝、子どもたちは赤ちゃんから年長さんまでみんなで集まり
一緒にリズム遊びをしたり、歌をうたいます。
「いないよばあ。」
と大きい子たちが歌ってくれると、赤ちゃんたちもかわいいお手てでおめめを隠して
「いないいないばあ。」
と真似をします。
お手てをひいてリズム遊びに誘ってくれる大きい子の姿が自然にあります。
年長さんたちは赤ちゃんのお布団を敷いてくれたり、
ご飯の後には洋服にいっぱいついたご飯粒をとってくれます。
パジャマを着るのを手伝ってくれます。
毎日お世話をしてくれる年長さんが赤ちゃんたちは大好きです。
年長さんたちも赤ちゃんの嬉しそうな様子に自分自身もうれしい気持ちになるのです。
一昔前のように、小さい子から大きい子たちが一緒に育ちあう環境が
保育園で保障できていることがとてもうれしいです。