“2020.12.24
クリスマス 子どもたちは毎日素敵な絵本を楽しみにしています。
子どもたちの好きなサンタクロース
「サンタクロースって本当にいるの?」子どもにそんな風に聞かれることはありませんか。
子どもの目に見えないものへのふしぎと思う心を大切にしてあげたい。
サンタクロースについて、このような記事があったのでお伝えします。
もう数年前のことになるが、アメリカのある児童文学評論誌に、次のような一文が掲載されていた。
「子どもたちは、遅かれ早かれ、サンタクロースが本当はだれかを知る。知ってしまえば、そのこと自体は他愛のないこととして片付けられてしまうだろう。しかし、幼い日に、心からサンタクロースの存在を信じることは、その人の中に、信じるという能力を養う。私たちは、サンタクロースその人の重要さのためでなく、サンタクロースが子どもの心に働きかけて生みだすこの能力のゆえに、サンタクロースをもっと大事にしなければいけない」というのが、その大要であった。・・省略・・・
心の中に、ひとたびサンタクロースを住まわせた子は、心の中に、サンタクロースを収容する空間をつくりあげている。サンタクロースその人は、いつかその子の心の外へ出て行ってしまうだろう。だが、サンタクロースが占めていた心の空間は、その子の中に残る。この空間がある限り、人は成長に従って、サンタクロースに変わる新しい住人を、ここに迎え入れることができる。
この空間、この収容能力、つまり目に見えないものを信じるという心の働きが、人間の精神生活のあらゆる面で、どんなに重要かは言うまでもない。近ごろの子どもは、小さいときから科学的な知識を振りかざして、容易に不思議を信じないといわれる。しかし、子どもは、本来ふしぎを信じたがっているのだとわたしは思う。
(東京子ども図書館の松岡享子さんの記事より)
“