ガガイモの綿毛【科学のこころ】

2024.12

「ガガイモの実」

ケセランパサランてご存じですか?見つけると幸せがおとずれると言われていますが、ガガイモの綿毛だったのではないかと言われています。(諸説ありますが。)

「古事記」では、ガガイモに、こんなお話があるそうです。

大国主命(おおくにぬしのみこと)が葦原中国の国づくりを担うことになりました。

大仕事をどのようにすればよいか悩んでいると、波頭の白く立ち騒ぐ沖の方から天乃羅摩船(あめのかがみのふね)に乗って駆け付けた小さな小さな神様がいました。

そして、その神様は大国主命の国づくりを手伝うことになります。

その神様が少名毘古那(すくなひこな)です。

天乃羅摩船という船が、ガガイモの種だったそうなのです。

 

(息をとめて)             (あ、開いてきた)

そして、もう一つ。

子どもたちの大好きなお話に、「ふわふわふとん」というお話があります。

虫たちが、寒いよ寒いよと震えながら、ガガイモの種をはこんでいきます。

すると、ネズミくんたちが手伝ってくれ

みんなでガガイモの種を開くと。。。中から、温かそうなわたげがとびだしてきます。

その綿毛にくるまって冬を温かく過ごすことができたという、かわいらしいお話しです。

本当に種を割ると、綿毛がとびだしてきます。

少し若い種は、針のようにとんがった綿毛の根元に種がくっついていて、手のひらの上で綿毛がひらき、種が立ち上がります。

そして、「ふわっ」と浮かび上がります。

自然の神秘さを感じる瞬間です。

12月 自然のなかに出かけていくと、ガガイモの種に出会えます。

知らなければ、ただ通り過ぎる散歩道も、一緒にいる大人が知っているだけで

いつものお散歩が、特別なお散歩になっていきます。

 

 

科学心の満足は、

科学的知識を学ぶことにも

得られるものであるが、

それよりも、科学的に

心を働かせてゆく処に、

一層の興味があるといえる。

(倉橋惣三の言葉より)

 

子どもたちの命と生き物たちの命がかかわりあいながら、

ともに、育っていく。

それが、優しさと学びの根っこになっていくのだと思います。