「学ぶ」 露木先生の化石発掘 2024ハレノヒ学童の夏休み

2024.8.5

ハレノヒ学童の子どもたちは埼玉県秩父市の「ようばけ」に化石を探しに行きました。

「ここは、約1500万年前は海だった。」露木先生のお話はこうはじまりました。

子どもたちは1500万年前にタイムスリップして想像をめぐらせます。

「カニや貝の化石が石を割ると出てきますよ。」

暑い日でした。子どもたちは「ようばけ」につくとハンマーでコンコンと石(砂岩)を割ります。

何か出てくると、「露木先生!見て見て!」どの子も露木先生に見せに行きます。

自分の発見を「おう!すごいな。これは貝だな。」「すごい!カニだ」と言われるとうれしくて仕方がないのです。

これが露木先生の魅力です。

子どもたちが知りたい!わかりたい!と思うこと。発見した!と思うものに「おー!すごいな。」と子どもの気持ちに共感してくれるのです。

何でも知っている露木先生が子どもたちは大好きです。

40分夢中で化石を掘ると次は川遊び。きれいな川です。魚もいっぱいいます。(水温が低い場所では、ヤマメの赤ちゃんも泳いでいました。)

それでも、ずっと化石を探している子もいます。

「みんなが川で遊んでいる時間、ずっと化石を探しているのがすごく楽しかった。」

そして、自然のこわさも学びました。

空の雲の様子がおかしい。「あと、15分で雨がふるぞ!」という露木先生の声。

ここは中州です。急いで片付けておがの化石館に戻りました。

すると、化石館に入って5分後、激しい雷雨になったのです。

まさに、バケツをひっくり返したような雨。

あのまま、あの中州にいたらと思うと。

きれいだった川の水があっという間に濁流になり、茶色く噴き出しています。

避難した、「おがの化石館」には「パレオパラドキア」というカバのような形の骨の模型が飾られています。

「パレオ」=大昔の 「パラドキシア」=不思議な生き物

何を食べていたのかよくわからなないのだそうです。

この骨が「ようばけ」から発掘されたそうです。1500万年前の海にすむ哺乳類です。

大雨のなか、解散になりました。さまざまな学びがあった一日となりました。

「やさしさ」の教育 センスオブワンダーを子どもたちにより(露木先生の書籍より)
化石を採集しようと、子どもたち約160人を連れて、秩父方面へ行ったときのことです。
その日は大変な暑さでした。
子どもたちは勇んで化石採集に臨んではみたものの、なかなか出てこない化石に、集中力が途切れてしまう子も現れました。
川の方へ行き、冷たい水につかる子、河原の池にいたウシガエルを捕まえようとする子、石で水切りする子も出てきました。
それで良いのだと、私は思ったのです。
およそ3分の2の子は化石が採れたのだから十分です。化石の採集はそう簡単ではないし、河原であそぶことも子どもたちにとってはまたとない経験だと思ったからです。
水の冷たさを感じ、流れの様子を知ることも、子どもにとっては大切な経験です。
そのような「周辺」を含んだ化石採集だと考えたのです。
教師は、せっかく化石採集に来たのだから、そのことだけに集中してほしいと子どもに願います。
それはその通りなのかもしれません。
しかし、それだけにこだわるのではなく、その「周辺」からも子どもが多くを学んでいることに気づく必要があります。
あいにく化石が採れなかった子は悔しいでしょう。
サメの歯が採れた子がうらやましいはずです。そのような子どもの無数の心がここには渦巻いているのです。
この文章が私は好きです。
大人はつい、目的に集中して欲しくなってしまいます。
しかしそこには、子どもの無数の心がここには渦巻いている。
化石発掘だけではなく、のいろいろな場面で言えることだと思います。
子どもの教育や、保育にたずさわる大人たちがこんな風に考えられたら。
子どもたちはもっと自由に自分の好奇心を広げていけるのだと思います。