露木先生と丹沢を歩く【学童】

2024.4.4 露木先生の勉強会が丹沢ホームで行われました。

子どもたちは露木先生が大好きです。

 

露木先生から

 

丹沢の山の中で
4月4日(木)、ハレノヒ保育園の野外活動に参加させていただきました。

丹沢ホームから林道を約30分上っていき、川の上流でサンショウウオの幼生を見つけるという
活動です。

私は、丹沢の石について、丹沢の成り立ちとつなげて50分ほど、丹沢ホームの食堂でお話しさせていただきました。

年長さんから小学生までの子どもたち25人を対象に、次のような<授業>をさせていただきました。

 

 

1 下見で集めておいた岩石をみる
事前に河原で玄武岩や凝灰岩などの石を集めておきました。色や手触りが違います。
その一つを取り上げ、「この石に磁石がつくと思いますか」と聞きます。大部分の子は石が磁石につかない、と考えています。
実際にやってみるとつきます。強力ネオジム磁石だと、岩石の中に磁鉄鉱が含まれている場合、石が磁石に付きます。
一気に子どもたちの目の色が変わってきました。おもしろいと思ったのでしょう。
いろいろな石を、予想しながら磁石でつけていきます。

予想はなかなか当たりません。
磁石に付く岩石とつかない岩石はどうやって見分けることができるか、岩石をよくみようとしています。
<河原に転がる石、一つ一つに履歴があり、物語がある>

 

 

2 丹沢の石
河原で拾ってきた石の大部分は凝灰岩です。

少し緑がかった石で、海底火山の噴火によってできた堆積岩です。

丹沢が1700万年前には南の海の海底火山だったころの堆積物です。

河原には他にも玄武岩が多くあります。丹沢の地下でマグマが冷えて固まってできた岩石です。
火成岩の中に磁鉄鉱があればその石は磁石に付きます。

多くの火成岩、玄武岩や溶岩はつきます。

堆積岩や変成岩には磁鉄鉱が含まれていない場合が多く付きません。
磁鉄鉱の正体は「砂鉄」です。ハレノヒの子どもたちと昨年、山北の清水橋のそばで砂鉄採りをしています。
石にあった磁鉄鉱が、川の働きで岩の中から出てきたものが砂鉄であることを知っています。
そのようなお話をしました。

 

 

3 丹沢の成り立ち
大学で新しく買ってもらった簡易プロジェクタを使って、丹沢の成り立ちをお話ししようと考えていました。

ところが図や写真が拡大できず、小さな画面でしか見らえません。

自宅でやった時はうまくいったのに、なぜか、今日は言うことを聞いてくれません。
何とか、プレートに乗って南の島から移動してきてぶつかったこと、そのあとに伊豆半島がぶつかってきたことなどを、

小さな子でもわかるようにお話ししました。

門田先生の偉業の一つであるオーム貝の化石やアオサンゴの化石の発見についても伝えてい
きました。
・・・・・・
それにしても、丹沢という山は深い谷が続きます。

急峻な山であることが、せり上がってできた山であることを物語っているようです。

浸食によって削られて深い谷ができているのです。

林道を歩いて30分。

登山口の近くの川でサンショウウオ探しが始まりました。と言ってもなかなか見つからなく、

山岸さんが4頭、子どもが1頭見つけただけでした。私も頑張って探しましたが、見つかりませんでした。

子どもは、事前の石の学習効果か、私に石を持ってきては磁石に付くかどうか試して
います。

私が用意したアルニコ磁石を使って砂鉄集めに夢中になる子もいます。

思い思いに河原で遊ぶ体験はきっと生涯忘れることのできないものになるような気がします。