2021.10.13
もうすぐ運動会。年長さんたちは自らの課題に挑みます。
毎年子どもたちが夢中になるのは、竹馬です。
「あの子みたいに何段の竹馬に乗るんだ。」
過去の年長さんたちの姿を思い出し、自分のなりたい姿をイメージします。
「年長さんはね、誰にも手伝ってもらわなくても自分で乗れるようになるんだよ。」
という大人の言葉に、子どもたちはがぜん張り切ります。
自分が大きい子として認められた、そんな風に感じるようです。
けれど、どの子もすぐに竹馬がのれるわけではありません。
1日で乗れる子もいれば、竹馬をにぎったままじっと足元を見つめ
たった一歩が何日もかかる子もいます。
そんな時、大人はとことんその子に付き合います。
「あの子が出来たことはね、必ずあなたにも出来るのよ」
と声をかけながら。
運動会が近づくと、大人たちはつい、目の前の課題をいち早くクリアすることに焦点があたってしまいがちですが、
決して、竹馬が早くのれる出来ることが大切なのではありません。
なぜなら、そのかかった日数はその子に根気強さと、自らの力を信じる強い心を育てるからです。
やっと乗れた竹馬。「のれたね。」と声をかけると、
「うん。頑張った。」と堂々と笑顔でこたえます。
その姿は、それまでの自分をのりこえて新しい自分をつくりだした姿です。
長年保育にたずさわり、卒園後の子どもたちの姿をみて思うことがあります。
この竹馬の挑戦にかかった時間は、決して無駄な時間ではなく、
卒園後のその子の育ちに大きく影響し
困難なことがあっても、時間がかかっても
自分はがんばれば、絶対できるという確信を子どもたちに育てていくと。