仲間のなかで育つ(会報誌より)

年長担任 渡辺由利子
 皆で踊った荒馬踊り、次第に力をつけていった山登り、思い切り遊んだ川遊び、盛り上がった流しそうめんやかき氷大会、皆で見た 美しい宮古の海、悔し涙を流した運動会のリレー、里山での冒険ごっこ、最初は不安だった交流保育などなど…沢山の同じ経験をし、共に感じ互いに認め合うことで、まず自分に自信を持てるようになりました。そして、集団の中の一人として自ら主張し、自分を表現できるようになってきました。
 子どもは仲間の中で育ちます。顔色をうかがって仲間に入れてもらうのではなく、しっかりと自分を主張しながら、他人の主張にも耳を傾け、ぶつかったり譲ったり想像したりしながら仲間になっていくような、そんな中で育っていって欲しいです。顔色をうかがってばかりでは対等な関係にはなれません。互いに自分の主張ばかりでは、けんかが絶えないでしょう。自分が感じ考えるように、相手も感じ、考えを持っているということに気づき、尊重することが必要です。
 年度途中で入園してきたうさぎ組のある女の子は、年長さんを慕ってくれ、よく側で過ごしています。子ども達の間に沢山の言葉はないけれど、その女の子の表情から多くのことを読み取ろうと、一生懸命あれこれ想像している姿はとても素敵です。子ども達の姿に、大人の方が多くのことを考えさせられる毎日でした。
 初めて年長を担任した私にいつも沢山の提案をしてくれた雅子さん、自分が担当であるかのように一緒に保育を考えてくれた保育士の方々、そして時には不安や心配を抱えながらも、保育園を信頼して預けて下さった保護者の皆様に感謝しています。
今まで経験してきた積み重ねが根っことなり、素敵な枝を大きく大きく広げて育っていきますように。卒園おめでとう。