ケンカについて(1歳半~2歳後半)

「けんか」
1歳後半から2歳ごろにかけては、髪の毛をひっぱる、たたく、
ひっかく、かみつくなどのケンカだったのが
2歳半くらいになると「ホシイ」「ダメ」「イヤ」などという言葉をつかいつつ
大声で泣きながら、手に入れたいものをとりにはげしくぶつかっていこうとします。
一方で、「待っててね。」「順番こね。」などという言葉をきき入れ
我慢もできるようになってきます。
ケンカは子どもたちが、コミュニケーションを学ぶ大切な役割をしています。
そこにいた大人は、どちらが良いか悪いかなど公平にさばこうとすればするほど公平でなくなったり、子どもたちの気持ちから離れた対応になってしまいがちです。
子どもが嫌なことを嫌とも言えず育つのは不幸です。子どもが自分の気持ちを相手に伝え、自己主張ができる場を保障してあげたいものです。
大人は両方の気持ちを受け止めつつ「~ちゃんは~だから悲しかったね。」「~だったから悔しかったね。」とその子の気持ちを代弁してあげると良いと思います。
「じゃあ、順番こでも良い?」「良いの。ありがとう。」

ケンカについて少し大きくなってきた3歳児くらいのお母さんの悩みとして、こんな相談を受けることがあります。
「うちの子悪いことしても謝らないのです。いくら謝らなくちゃだめだと叱っても。」
そういうとき私はお母さんに「きっとその子は謝りたいけれど、「ごめんね。」っていえないだけなのよ。そうときはね、「次はしないでね。」と優しくいってごらんなさい。もし自分が悪かったなと思っていたら「うん。」てうなずくから。それで終わりにしてあげたら良いのですよ。」
子どもたちは、ケンカを通して自分と違う他者の気持ちがあるということを知ります。
そしてだんだんに、大人になってからの能力であると言われる
「共感的に傾聴する」「客観的な視点を獲得する」
その力を、身につけていくのです。


子どもにとって友だちは宝物です。
心を育て育ちあうかけがえのない存在です。
友だちの中に入り
友だちとともに問題を乗り越えてこそ
子どもたちは豊かな心を育てることができるのです。
(子どもは紫の露草より 著者 広木克行) 

「大丈夫?」悲しくて泣いている子のそばに
そっといてくれる子もいます。