2024.9.7
台風10号の大雨は、各地に大きな被害をもたらしました。
子どもたちがお米を育てている【名古木の棚田】にも、崩れた山の土が流れこみ棚田の稲を押しつぶしてしまったのです。
稲刈りまであと2週間。しかし、黄金色の田んぼの8割が土の下になってしまいました。
2024.9.5
数日後、子どもたちは、土砂に流された田んぼを見に行きました。
上の道から、大人も子どももしばらくじっと見つめます。
「なんで、こんな風になっちゃったの?」
「大雨が降って、土にいっぱい雨水がたまって、あふれてしまって土と一緒に流れてしまったんだね。」
「あの土の下には、お米が埋まってしまっているんだね。」
人間の力ではどうにもできない、自然の力。大きな木が根っこをつけたまま流され田んぼの真ん中に横たわっています。
竹林がそのまま流れてきています。
「かわいそう。」と子どもたちも言葉少なくなります。
「でも、見て、一生懸命育とうとしている稲がいるよ。」
「ほんとだ。」
「残ったお米を大切に刈りとってあげようね。」
子どもたちはこの光景を忘れることは無いでしょう。
この光景からいろいろなことを大人も子どもも想像しました。
一生懸命お米を育てた人の気持ち。
育った稲の気持ち。そこに生きている生き物たちの気持ち。
「お米がんばれ!」
「アカハライモリがんばれ!」
「かえるもがんばれ!」
「どじょうがんばれ!」
子どもたちは、大きな声で力いっぱい応援しました。
2024.9.7
この日、たくさんのお父さんお母さんが、生き残った稲を刈りとるために集まりました。
機械が入れないので、手で刈りとります。
真夏のように暑い日でした。
土砂に埋まった稲を起こして鎌で刈りとります。
束ねて、麻紐で結び、干す。すべて手作業です。
小学生の子どもたちも手伝います。
あたりまえのように食べているお米が、こんな大変な思いをしてつくられていることを知りました。
自然の美しさだけでなく、自然の怖さも知りました。
そして、人が人とが助け合いながら生きることの大切さを知りました。
子どもたちの原風景である「名古木の棚田」の復旧を願います。
このふるさとの風景を、子どもたちに残していきたいです。