2024.8.21
「熊と人が共に暮らす」
まずは、熊がどんな動物なのかを知るところからスタートです。
今日の先生は、環境省で、熊や鹿のことをお仕事にしている大川瑛子さん。
「熊の毛って固いんだね。」
「匂いもするよ。」
「熊は森をつくる動物」とも言われています。
見せて頂いた糞のなかには、木の実がいっぱい入っていました。
糞が土にかえり、そこから芽が出る。新しい木の命が生まれる
そんなことを子どもたちは想像したと思います。
動物も植物もともに影響し合いながら生き、命をつなぐ。
お話会が終わると「どうしたら熊と人間が共に暮らすことができるのだろう。」
子どもたちは輪になって、自分の考えをみんなに発表します。
「熊と人は仲良くなるというのは、難しいと思う。だから、柵をして境界線を作ったら良いのではないか。」
「柿の実をちゃんと採ったらいいと思う。」
「下草を刈るとよいと思う。」
「山の上の方にどんぐりの木をいっぱい植えたらどうだろう。」
1人1人が考えます。
一つのことに関心をもち、みんなで知恵を出し合い、考える。
「人間さえ良ければいいわけじゃないよな。」子どもたちはそう感じたと思います。
子どもたちへ ~大川瑛子~
アイヌのイオマンテからも分かるように、みんなのひいおじいちゃんの時代くらいまでは、わたしたち人間も、
その土地でとれるものを食べて、その恵みを与えてくれている土地の自然に感謝しながら暮らしていました。
今は、秦野で作られたものではない食べ物や生活の道具が簡単に手に入るので、わたしたちと自然がどうつながっているのかわかりにくいと思います。
でも、今日お話した熊は、わたしたち人間が日本にはいってくるよりもずっと前から日本の自然の中で命をつないできました。
みんなが暮らしている秦野には、熊をはじめとした色々な生き物が暮らす自然や歴史があり、それによって作られた文化があります。
今日のお話が、この土地は、わたしたちだけのものではなく、
色々な生き物がバランスをとりながら作り上げてきたものなんだ、どうしてそれが大切なのかな、ということについて考えてもらうきっかけになったら嬉しいです。
今、地球全体での自然環境の破壊、温暖化、感染症、戦争などが起きて、わたしたちの暮らしにも大きな影響を与えていますよね。
人間が、地球はわたしたちのものだけではないことを忘れて、土地や自然を人間だけが利用しやすいものに作りかえてきてしまったこと、
自分以外の生き物のことを考えることが少なくなったこと、について反省しないといけないと、わたしは思っています。
みんなには、自然の中でたくさん遊んでもらいたいなと思っています。